台湾短期留学レポート (H24年度)

 

筑波大学と国立台湾大学との交流活動の一環として、平成24年度短期派遣留学に参加した大学院生のレポートを紹介します。
筑波大学医学系では、日常的な国際性を育むとともに、海外での経験の涵養も重視しています。ここで紹介するレポートには、海外に出て行った大学院生たちが、何を感じ何を学んできたのかが、それぞれの言葉で語られています。
2週間という短い留学期間ですが、台湾短期派遣学修に参加した学生は皆、ひとまわり大きな人間になって帰ってきます。このレポートから、彼らが海外での経験で得たものが何かわかるかも知れません。どうぞ、追体験してみてください。
 

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本多 健太郎 : フロンティア医科学専攻 M1

受入研究室:Dr. HY Chou 研究室

 

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 今回、二週間の台湾短期派遣に参加するにあたり出国前に掲げた目標は「全力」でした。これはこの意味は必ずしもプログラムに記述されているラボローテーションやCBTサ マースクールに関してだけではなく、現地でこれから出会うであろう学生や先生方と、躊躇することなく全身全霊を持って向き合って議論し、笑い、歩み、苦労することで、2週間という限られた期間を最大限に謳歌することでした。この目標を掲げたのも、過去の自分の経験における反省からでした。

 遡ること5年近くになりますが、ある機会に恵まれ、同じように海外で少数の日本人と共に2週間程度滞在することがありしました。当時も学校で受ける英語の成績は芳しくなかったため、当然英会話に対する自信もありませんでした。出国前から「間違いを恐れることはない」と何度も言われており、頭では理解しているつもりでも、いざ異国語の飛び交う環境に身を投じてみるとどうしても自信のなさから萎縮してしまい、世界中から集まった同年代の生徒たちを前に積極的に働きかけることができませんでした。日本人というだけで、相手から好意的に話しかけてもらえたにも関わらず、そのような状況は続き、盛り上がる生徒たちを横目に必要以上に話すこともなく、「楽しんでる?」と聞かれて惨めな思いをしながら「もちろん」と答える大惨事でした。帰国後しばらくして撮りためた写真を見返してみると、ほとんどが風景や動物で、笑顔で外国の生徒と写っているものがあるかと思えば、そのほとんどは挨拶代わりに取り交わしたものばかりでした。あと一歩踏み出していれば築けていたであろう交友関係が生まれなかったことに、何よりも貴重な機会をみすみす見逃してしまったことに対して強い後悔をおぼえました。

 この目標を携えてプログラムに参加して一番感じたことは、異国の地で経験する多くのことがらに対して素直な感動や気付きができたことでした。これは自分の語学力に自信が持てない、間違いを犯してしまうかもしれない、といった”余計な”ことを考えることがなくなり、気持ちに余裕が生まれたためではないかと思います。またそのような新鮮な感動は、現地に住む学生にとっては往々にして「当たり前のこと」であり、自分が見聞きした驚きを話すことで、またそれを彼らが「驚きに対する驚き」として、新鮮な体験を共にすることができました。このような、日々気付かない差異を認識することは、よそ者であるからこそできることであり、相互の文化や思想の違いや共通点を見つけ、それぞれの魅力を感じるに十分なものでした。そうしているうちに、彼らの日常にあるほんの些細なことに対していちいち感激する自分たちの姿を見てか、実験の補助だけに留まらず、あれはどうだろう、これも試してみようと、台湾の様々な文化、慣習を次々と提示してくれるようになり、そのお陰で他の誰よりも現地での生活を十二分に満喫することができたと思います。このようにして受けた彼らの厚意は、国境を越えた友情を育むのには十分なもので、無数の記憶のかけらとして、大切な宝物として、今でも心の奥底から輝きを放っており、この先も大切にしたい絆であると 確信しています。

 最後に、このような 機会を与えてくださった先生方に、専攻に、台湾の先生や学生のみなさまに、厚く御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 

 

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