台湾短期留学レポート (H24年度)

 

筑波大学と国立台湾大学との交流活動の一環として、平成24年度短期派遣留学に参加した大学院生のレポートを紹介します。
筑波大学医学系では、日常的な国際性を育むとともに、海外での経験の涵養も重視しています。ここで紹介するレポートには、海外に出て行った大学院生たちが、何を感じ何を学んできたのかが、それぞれの言葉で語られています。
2週間という短い留学期間ですが、台湾短期派遣学修に参加した学生は皆、ひとまわり大きな人間になって帰ってきます。このレポートから、彼らが海外での経験で得たものが何かわかるかも知れません。どうぞ、追体験してみてください。
 
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高橋 勇一 : フロンティア医科学専攻 M1

受入研究室:Dr. SC Miaw 研究室

 

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 今回私は、「Summer Program +4 Biotechnology」という国立台湾大学で行われた短期海外研修プログラムに参加した。

 私は将来世界を舞台に活躍できる研究者を目指している。そのためには英語でのコミュニケーション能力は必須だが、今の私はほとんど単語レベルでしか英語を話すことができない。

 現在受講しているLong Distance lectureでは議論に参加できず、ただ聞いているだけになってしまう。私の中にはそもそも英語に苦手意識があり、自分から積極的に話しかけたり会話に 参加したりすることを避けてしまっているのだと気づいた。そこで自分を、英語を話さなければいけない状況に置くことで、まずは英語で日常会話をするところから始めたいと考えた。そして英語に対する苦手意識をなくし、科学的で、論理的な会話が少しでもできるようになりたいと強く願った。自分から話しかける、 科学的な議論を行うという強い意志を持ち、濃密な2週間を過ごしたいと思い、この研修に参加した。

 1週目はDr. Shi-Chuen Miawの研究室に所属し、「c-MafとTh-POKの物理的会合の可能性について」というテーマで実験を行った。

 c-Mafは全身の細胞に広く発現している転写因子の一つで、免疫細胞においてはサイトカイン制御に重要であることが知られている。

 一方、Th-POKはCD4+T細胞の胸腺内分化や機能分化、NKT細胞の発達のマスター転写因子として知られている。

 この二つの転写因子の物理的相互作用について細胞に強制的に発現させて検討するため、Th-POK発現用ベクターの作製を行った。

 最後のまとめとして、サマースクールに参加した学生全員が英語によるプレゼンを行った。多くの先生方やTAの前でかなり緊張し、発表時間も足りずにあたふたしてしまった。英語での説明、言い回しの仕方や質疑応答の難しさを実感した。

 2週目には「Animal Biotechnology course」という授業を、NTUの学生とともに受講した。この授業ではBiotechnologyの基礎的な実験手法について、英語による講義を受 け、その後NTUの学生と2人1組のペアになり実験を行った。実際に行ったのはリアルタイムPCRや免疫染色など、よく知っているものが多かった。しかし、NTUの学生と英語で会話しながら、一緒に実験するのは新鮮で刺激的だった。さらに企業の方による最新技術を用いた機械や実験手法の紹介があり、どれも興味深いものばかりだった。

 2週間の研修で英語による説明を受け、実験をする。または英語でプレゼンテーションするという人生で初めての経験をすることができた。

 英語で「話す」能力は正直、まだ稚拙である。しかし日本に帰ってきてから、英語の授業を受けてみて、英語を「聞く」能力は向上したと実感している。

 今後は、研修後のLong Distance lectureでは積極的に議論に参加して、さらに英語によるディスカッション能力を向上させたいと思う。さらに国際学会の発表でも質問したり、ポスター発表でディスカッションしたりするなど、世界の研究者と若いうちからコミュニケーションをとりたいと考えている。

 さらに今回の研修で台湾に多くの友達ができた。みんなとても親切で、日本から来た僕たちによくしてくれた。何人かとは今でも連絡を取り合っている。このつながりをこれからも大切にしていきたい。

 この研修を通して、英語で「話す」力の無さを痛感し、今後の自分に対する課題を見出すことができた。また新たな出会い、多くのつながりができ、自分の世界が広がったとも感じた。台湾で過ごした日々を胸に、これからも自分の夢のために毎日精進しようと思う。

 

 

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