台湾短期留学レポート (H23年度)

 

筑波大学と国立台湾大学との交流活動の一環として、平成23年度短期派遣留学に参加した大学院生のレポートを紹介します。
筑波大学医学系では、日常的な国際性を育むとともに、海外での経験の涵養も重視しています。ここで紹介するレポートには、海外に出て行った大学院生たちが、何を感じ何を学んできたのかが、それぞれの言葉で語られています。
2週間という短い留学期間ですが、台湾短期派遣学修に参加した学生は皆、ひとまわり大きな人間になって帰ってきます。このレポートから、彼らが海外での経験で得たものが何かわかるかも知れません。どうぞ、追体験してみてください。
 
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牛島 由理 : フロンティア医科学専攻 M2

専攻分野:微生物学

受入研究室:Dr. TK Li 研究室

 
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 台湾での2週間は、色々なことを私に教えてくれました。自分に足りないものが嫌というほど目についたり、上手く立ち振る舞えなかったりで落ち込んだりもしました。それでも、台湾に行って良かったと思えるのは、同世代の人たちが一生懸命頑張っている姿を見て、自分はまだまだこれから頑張ろうと心から思えたからです。

 今回、最も強く感じたのは、①コミュニケーション能力の大切さ と ②研究に対する自分の甘さ です。

 ①について、2週間を通して感じたことですが、特に最初のきっかけとなったのは、1週間目のCBTサマーコースでの質疑応答でした。CBTサマーコースは、台湾大学で行われている授業の1つで、様々な分野の先生方による講義と実習で構成されていました。実習は、台湾学生とペアになって一緒に行っていきました。

 講義は、あまり知らない分野の内容を英語で聞いていたので、理解するだけでも大変でした。しかし、そこで台湾学生の活発なディスカッションや日本人学生の積極的な姿を見て、一講義につき少なくとも一つ質問をしようと自分なりの約束事を決めました。ところが、なかなか質問の意図が理解されず、自分の英語でのコミュニケーション能力の拙さを痛感しました。けれど、問題は英語だけではなく、もっと根本的なところにあると気付かされました。それは、言語を超えたコミュニケーション能力です。相手の目を見て、伝えたい、分かってほしいという気持ちや相手の言っていることを知りたいと思う気持ちが言葉にプラスされて初めて、「伝わる」のだと思いました。そして、相手を知りたいと思うことは、その国の文化や歴史も含めて知りたいと思うことと同じなのではと思っています。また、逆も同じことが言えて、日本についてこれからもっと色々知っておこうと思いました。これは、台湾学生や日本人学生と一緒に過ごした2週間で日々感じたことです。

 基本的なことですが、人として一番大切なことを自然とできるようになっていけるよう忘れずにいたいと思います。

 ②については、最終日の研究発表の前日準備と当日の発表で、打ちのめされて気づかされました。

 私は、TK先生の研究室で「トポイソメラーゼⅢαのクロマチン構造とDNA安定性における役割」について勉強しに行かせて頂きました。実験内容自体は、 新しい実験をできるのが毎日楽しくて、あっという間に時間が過ぎていました。自分なりに実験の意味、つまり、何が目的で結果からどういうことが分かったの かを考えてやっているつもりでした。ところが、研究発表を前日に控え、発表内容を考える段階になって、各実験のつながり、全体像の理解がきちんとできていないことに研究室の人とのディスカッションを通して気づきました。自分がきちんと理解できていないのだから、話しても相手に伝わるはずもありません。発表会は、一方的に話すことに一生懸命になり過ぎて、聞いてくれる人たちが話についていっているのか気遣う余裕を持てませんでした。

 実験やさんではなく、研究者になるために、個々の実験の意味を考えた上でストーリーを考えることがどれほど大切か痛いほど分かりました。「考える」のは、自分一人で考えることと色々な人と考えることの二つがあります。このどちらも十分に満たした人になれるよう、これから成長していきたいと思います。

 台湾での思い出は、楽しいことばかりではなく辛いこともあったことが却って良かったと思っています。このような貴重な経験をする機会を与えて下さったすべての関係者の方々にお礼を申し上げます。また、今まで知りえなかった、それぞれに個性を持った素敵な人たちに出会えたことに感謝します。そして、自分の 至らないところを認めた上で、もっと成長して、私が今回してもらった様に周りにいい刺激を与えられるよう頑張っていきたいと思います。

 
 
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