台湾短期留学レポート (H23年度)

 

筑波大学と国立台湾大学との交流活動の一環として、平成23年度短期派遣留学に参加した大学院生のレポートを紹介します。
筑波大学医学系では、日常的な国際性を育むとともに、海外での経験の涵養も重視しています。ここで紹介するレポートには、海外に出て行った大学院生たちが、何を感じ何を学んできたのかが、それぞれの言葉で語られています。
2週間という短い留学期間ですが、台湾短期派遣学修に参加した学生は皆、ひとまわり大きな人間になって帰ってきます。このレポートから、彼らが海外での経験で得たものが何かわかるかも知れません。どうぞ、追体験してみてください。
 
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山内 庸平 : フロンティア医科学専攻 M1

専攻分野:生理化学

受入研究室:Dr. ST Ding 研究室

 
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 今年八月二十九日~九月十日の二週間、私は国立台湾大学へ短期留学した。ここでは、国立台湾大学での授業・実習と、研究室での実験について書くことにする。

 一週目は国立台湾大学での夏季集中授業に参加した。これは講義と実習がセットになったものであり、生化学における基本的な実験手技を学ぶという主旨である。この中で、real time PCR、免疫組織化学、免疫、カラムを用いたタンパク精製、DGGEなどを学んだ。普段使用しない実験手技(例えば、real time PCRやDGGE)を学べたことももちろん自分にとっては貴重であったが、何より台湾の学生と二人ペアとなり、英語でコミュニケーションをとりながら実験するということが勉強になった。自分の英語が完璧であったとは言いがたいが、それでも、躊躇することなくしゃべることがコミュニケーションをとるうえで、 非常に重要であることを学んだ。

 二週目は二人一組となって、研究室で実験を行った。私は丁詩同先生(Stone先生)のラボで実験を行った。まずびっくりしたのは、ラボのメンバーが非常に多いということである。人数が多い上に、自由度が高いラボであったせいか、先生自身、だれが卒業して、だれが留学していて、だれがまだ在籍しているのかなど、把握できていないようであった。また、自分から動かなければ何も始まらないというスタンスなようで、実験を行うときも、自分からこういうことをしたいといって実験が始まる。日本の研究室のように”指導を受ける”というスタンスでは全くないことが新鮮だった。

 私たち二人それぞれ違ったテーマを与えられて、実験を行った。私に与えられたテーマは、肝臓の株化細胞を用いてDHAの役割を明らかにするというものであった。メインとなった実験手技はreal time PCR と細胞培養である。正直、結果がうまくでなくて、毎日毎日、何度もreal time PCRをかけたのはとても辛かった。おそらく台湾に派遣されたメンバーの中で、四日間計12回もPCRをかけたのは、私たちぐらいだと思う。このハードな 仕事のかいあってか、DHAがArf6 という分子の発現をup-regulateするということを発見できた。

 今回の台湾派遣を通じて、私は台湾の学生と日本の学生の違いを強く実感した。まず、日本の学生と違って台湾の学生は自分の意見を、自信をもって発表するということである。これは日本の学生は見習わなければならないと思う。自分のプレゼンテーションを自分で批判的にみるといったことは決してしてはいけない。もちろん実験をしている段階では、自分のデータを客観的にみることが必要だが、発表する際には必ず自分の意見をしっかりもって、望まなければならない。そうしなければ、自分のいいたいことが相手に伝わらないからである。もう一つはモチベーションの持ち方の違いである。台湾の学生は心から実験を楽しんで、”やりたいことをやっている”ように感じた。それに対して、日本の学生は指導のもとで実験を行うせいか、しばしば、”やりたいから実験をしている”のではなく”やらなければいけないからやっている”ように思う。どちらがいいかを決めるのは非常に難しいことだが、この違いはかなり明確であったように思う。

 最後に、この貴重な機会を与えて下さった両国の先生方、そしてさまざまなサポートをして下さったインターナショナルオフィスの方々、国立台湾大学のTAの方々に深く感謝したい。本当にありがとうございました。

 
 
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